内蒙古自治区の区都、呼和浩特(フフホト)はここ数年で驚くほどのスピードで発展を続けており、街には高層ビルが立ち並び、近代都市に変貌を遂げつつあります。中国の近代都市にありがちですが、フフホトの空気汚染は有名で、残念ながら空気汚染度数は中国で最も高い都市となっています。こんなフフホトの街を歩いていると、本当に近くに大草原などあるのかと心配になりますが、看板のモンゴル文字を見るとやはりここが万里の長城を超えたモンゴルなのだと実感できます。
車に乗って2時間程走ると、市内の光景からは想像できないような広大な草原が目前に広がってきて、テント式住居、包(パオ)が目に飛び込んできます。現在はこれらのほとんどが観光客向けの宿泊施設ということで、現地の人々はより快適で近代的なレンガ造りの家に住んでいるようです。ただ、パオは天井が羊の皮でできているためか、冬でも非常に暖かく過ごせるというメリットがあります。
モンゴルの食事はジンギスカンのように火であぶった羊がメインになります。日が沈んで冷え込んでくると、その寒さを補うためかアルコール度の非常に高い地酒を人々は酌み交わします。小さなお猪口で飲むのですが、注がれたら一気に飲まないと失礼にあたると言われ、一気に飲むと、体中が暖かくなって寒さを全く感じなくなります。
大草原は空気が乾燥しているせいか、8月であっても朝晩は結構冷え込みます。夜、草原に寝転んで天を仰ぐと、空が地平線すれすれまでもが星で埋め尽くされていて、その美しさは筆舌に尽くしがたいものがあります。
写真説明
(一段目左から右へ)
フフホト市内にある金剛座舎利宝塔、大草原で行われる競馬、フフホトの高速道路(ほとんど車は走っていません)、モンゴル相撲、パオを組み立てる現地の人々
(二段目左から右へ)
大草原にぽつんと立つ仏塔を拝むモンゴル人、大草原(パオと駱駝)、大草原、大草原に沈む夕日、ゴビ砂漠(包頭)
内モンゴルの大草原