誰もが一度は目にしたことがあると思いますが、その名前と場所は意外と知られてないのが、岩山に4人の大統領の顔が刻まれているマウント・ラッシュモア(Mt.Rushmore)です。マウント・ラッシュモアはサウス・ダコタ州ラピッドシティ(Rapid City)の南東のブラックヒルズ(Black Hills)にあります。ラピッドシティから約25キロ、車で15分ほど走ると緑豊かなブラックヒルズの森に入り、さらに道を進むと静かな森の中に突然大統領の顔が刻まれた岩山が現れます。

花崗岩の岩山に彫られているのは、左からジョージ・ワシントン(George Washington)、トマス・ジェファーソン(Thomas Jefferson)、セオドア・ルーズベルト(Theodore Roosevelt)、エイブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln)の4人で、いずれもアメリカ建国とその発展に貢献した人物たちです。それぞれの顔はとても勇ましく、眼差しは穏やかで、作成に6年半を費やしたという作家の愛国心が伺われます。

はるばるサウス・ダコタまで来たので、スピルバーグの映画「未知との遭遇」の舞台となったという「デビルズ・タワー」(Devil's Tower)をぜひ見てみたいと思い、車で行ってみることにしました。デビルズ・タワーはワイオミング州の北東部、サウス・ダコタ州の州境に近いところにあります。しかし、日本の感覚では考えられないほどアメリカは広かったのです。これ以上出せない位のスピードで車を走らせたのですが、デビルズ・タワーに到着した頃には日は暮れかけており、残念ながら写真をとることはできませんでした。でも、暮れなずむ荒野に忽然と立つ妙な岩山を見ていると、宇宙人が今にも現れてきそうでとても不思議な気分になりました。

暮れかかる荒野に忽然と立つデビルズ・タワー:
自分で撮ったものではありませんが、このようなイメージでした
(ポストカードより拝借)
アメリカのアメリカたる象徴、マウント・ラッシュモア国定記念物
"We hold these truths to be self-evident, that all men are created equal that they are endowed by their Creator with certain unalienable Rights, that among these are Life, Liberty, and the pursuit of Happiness."
- Thomas Jefferson

「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」と渡米した福沢諭吉によって翻訳された独立宣言。すばらしい言葉ですが、実際のアメリカの理想と現実のギャップを考えると複雑な気分にさせられます。
マウント・ラッシュモアの一帯は花崗岩が多く見られ、このような岩のトンネルも沢山あります。
ワイオミング州では、野生のプレーリードッグが沢山見られます。
Needles(針)と呼ばれる山で、まるで針の山のように花崗岩でできた岩が木々の間から突き出しています。
『未知との遭遇』(1977年米)
"We are not alone"
(宇宙にいるのは、われわれだけではない)
監督・脚本:スティーブン・スピルバーグ
出演:リチャード・ドレイファス
    フランソワ・トリュフォー